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水素蓄圧器の開発

水素蓄圧器とは

クリーンエネルギーとして注目されている水素ガスは、約100MPaという超高圧に圧縮され、大型容器に貯蔵されます。

この容器は水素蓄圧器と呼ばれ、多くの燃料電池自動車向け水素ステーションや研究施設に設置されています。

水素蓄圧器の用途

水素蓄圧器の種類

水素は次世代のクリーンエネルギーとして高いポテンシャルを秘める一方、その貯蔵方法には高い信頼性が要求されます。

水素を超高圧ガスとして貯蔵する水素蓄圧器には、貯蔵や設置の条件に応じて4種類あり、鋼のみで構成されるものをタイプ1、鋼製ライナーの外周に樹脂強化炭素繊維(CFRP)を円周方向のみに巻付けたものをタイプ2、金属製ライナーの外周にCFRPを円周方向+ヘリカル状に巻付けたものをタイプ3、樹脂製ライナーの外周にCFRPを円周方向+ヘリカル状に巻付けたものをタイプ4と、それぞれ呼称します。

水素蓄圧器の種類

当社はこれらのうち、耐久性に優れるタイプ1、耐久性・軽量化を両立したタイプ2水素蓄圧器の開発に取組んでおります。タイプ1・タイプ2に共通する点は、水素ガスに触れる部材に鋼を使用しているということです。 鋼は他の本体材料と比較して、高強度・高耐久であることが利点である一方、水素が金属組織の中に入り込み脆くする性質(水素脆性)を有するため、蓄圧器に使用する金属は適切な材料選定を行ない、焼入れ・焼戻しに代表される熱処理により金属組織を調整・均一化することが重要です。

大気中の鋼材料の破断
高圧水素中の鋼材料の破断

金属材料の評価

水素蓄圧器の鋼材料

金属材料の主な評価項目

水素蓄圧器の本体に使用される鋼材料は、焼入れ・焼戻しによりその金属組織を調整します。超高圧力・大容量の水素ガスを充填するため、蓄圧器の肉厚・全長は非常に大きなものとなるため、焼入れ時の冷却速度が遅い部位が生じます。冷却速度が遅いとフェライト相の含有率が大きくなり、機械的強度の低下や水素脆性の原因となります。また、強度が高すぎる場合も水素脆性のリスクが大きくなります。当社ではこれらの問題を解決するために、焼入れ機構を改善し、熱処理後の材料の顕微鏡観察、硬さ試験ならびに水素環境下での機械試験を行なっています。

金属組織観察

フェライト相と焼入れ速度

高圧水素適合性試験

金属材料の主な評価項目

鋼材料の高圧水素適合性を確認する材料試験には、蓄圧器の設計圧力と同等の圧力の水素環境下中で引張試験を行なうものがあります。この試験は「低ひずみ速度試験(Slow Strain Rate Tensile Test: SSRT)」と呼ばれ、水素ガスに対する特性評価の中では非常に重要な試験です。 SSRTにおいて、材料が試験最大荷重点を超えて破断することが高圧水素適合性の一つの条件となっています。

硬さ試験

水素蓄圧器の材料の引張強さは、最小引張強さ(内圧に対する最低保証値)と水素適合性検証済引張強さ(SSRT等で水素適合性が検証された最高強度)の範囲内に収まっている必要があります。特に厚さ方向の引張強さ分布は焼入れ時の冷却速度のムラにより、バラツキが生じる可能性が高い傾向にあります。この改善のためには、材料の焼入れ時の内外面の冷却速度の差を可能な限り小さくする工夫が必要です。

硬さ試験結果のグラフ

軽量化への試み

新しい容器開発に挑戦

高強度・高弾性・低密度を特長とするCFRP

機械試験・顕微鏡観察などにより、金属の機械的性質・組織を調査し、材料の高圧水素適合性を確認することは、容器開発の第一歩です。一方で、長尺・厚肉のため、軽量化の課題が付きまとうことも事実です。 そこで当社では、鋼で構成される本体の厚さを薄くし、外壁に高強度・高弾性・低密度を特長とするCFRPを巻付け耐圧性を強化したタイプ2蓄圧器の開発に取組んでいます。 また、タイプ2複合容器は水素蓄圧器のみならず、輸送用容器など軽量であることが大きなアドバンテージとなる容器にも応用できると考え、新しい容器開発に挑戦しています。

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